トレーディングブックに係る倒産リスクの資本計算(FRTBのDRCモデル)
2017年3月1日(水)と3月9日(木)~ 全2回
- セミナー概要
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- 昨年の1月にバーゼル銀行監督委員会(BCBS)により、トレーディングブックに係るマーケットリスク最低必要資本(FRTB)の計算方法の原則が公表され、今月の1月27日には第1回のFAQが公開された。FRTBでは、信用リスクを倒産リスクと信用スプレッドの変動リスクに分け、前者を後者のESで計算されるマーケットリスクから切り離して別途、資本をチャージするDefault Risk Charge (DRC)が導入される。
- DRCでは、現在適用されている”Basel 2.5”の追加的リスクチャージ (IRC)では対象外である株式の倒産リスクも考慮され、オフセット、ヘッジや倒産相関を考慮したポートフォリオベースの倒産リスクに対する資本チャージが、原則、ストレス期における保有期間が1年の99.9%のVaRとして計算される。
- DRCにも標準的方式(SA)と内部モデル方式(IMA)があり、デスクごとに採用している方式によって決まる。SAのDRCの計算式は規制で与えられているが、内部モデルのDRCでは、モデルの要件が与えられる。主な要件は、1) 2つのシステマティック・ファクターを使った倒産をシュミレーションするモデルであること、2) 損失率と倒産のシステマティック・ファクターによる相関を考慮するモデル であること等 である。バンキング・ブックの信用リスク資本計算で用いられているLGDが一定で、システマティック・ファクターが1つであるモデルでは不十分で、LGD(または回収率)の確率的なモデリングと2ファクターの倒産モデルが必要となる。
- 今回のセミナーでは、SAのDRCについては、なぜ規制で与えられた式で資本計算するのかという数式の裏にあるバックグランドについて解説する。IMAのDRCでは、モデル要件について整理して、Wilkens and Predescu(2016)で提唱されているモデリングのフレームワークを詳しく説明して、彼らのモデリングの問題点や改善点を解説することとする。
- セミナー対象者
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- 金融機関でマーケット部署やリスク管理部署の方、内部監査に携わる方
- 監査法人等でデリバティブ業務等の監査に携わる方
- 規制関係のシステム構築に携わる方
- レギュレーター等、規制資本に関わる方
- 開催スケジュール
- 日程
- 第1回:3月1日(水)
- 第2回:3月9日(木)
- 18:00 - 21:00
- 会場
- JAビル カンファレンス 401B
[アクセス] - 定員
- 20名
- 講師
- 高田勝己 (経歴詳細)
株式会社 Diva Analytics 代表取締役 - 受講価格
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- 受講料:100,000円(税抜)
フルタイムの学生の方は、5割引きで受講できます。
- 講義内容
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第1回 倒産リスクチャージ(DRC)の標準的アプローチと回帰分析
- ・相殺とヘッジング
- ・Gross JTDとNet JTD
- ・満期調整
- ・ヘッジ利得比率と倒産リスクで重み付けしたnet JTD
- ・SA-DRC計算式の根拠
- ・回帰係数
- ・r-square
- ・t値
- ・パネルデータ回帰分析
- ・多重共線性
- ・システミック・リスク・ファクターの特定化
- ・ストレス期の定義
- ・倒産のモデル化
- ・回収率(損失率)のモデル
- ・カリブレーション
- ・モンテカルロ・シュミレーションによるDRCの計算
- ・標準的アプローチとの比較
(注)講義内容は見直し等により変更になる場合があります。 - 申込み方法
- [申込みフォーム]に必要事項を入力し、送信してください。
送信されますと、弊社より確認メールが届きます。
FAXによるお申し込みをご希望の場合は[PDFの申込みフォーム]に必要事項をご記入の上、03-5544-8852 までご送信下さい。
申込書受領後、請求書が必要な場合は受講料の請求書をお送り致します。
確認メールに記載されている指定口座に開講日までに受講料を納入してください。納入を確認次第、申込み完了となります。
法人申込みの方で予算請求期日等の関係で開講日までに納入できない場合は、[お問い合わせフォーム]にて気軽にご相談ください。 - 運営規定
- 定員(20名)になり次第、受け付けを終了させていただきます。
一定の人数(通常は5人)に達しない場合は、開講日の1週間前までに未開講の旨をご連絡しますので、ご了承ください。