€STRカーブの構築とユーロ建てスワプションの評価
2019年11月26日(火)
- セミナー概要
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- EURIBORはLIBORの永続的な公表停止後も存続することもあって、ユーロ園の金利指標改革はEONIAから€STRへの移行に重点が移っている。今年の10月からユーロの”リスクフリーレート“である€STRの公表が始まった。Eurexでは11月18日から、LCHでは10月21日から€STRスワップの清算を始める。これに伴い、マーケットでは、EONIAを参照するオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)に代わって€STRを参照するOISがトレードされることが期待されている。
- 同時に10月からEONIAの決まり方も変わった。EONIAはもはや独立に決まるのではなく、€STRに8.5bpを加えて決まる。これに伴い、ユーロベンチマーク規制(BMR)上でも合法なインデックスとなる見込みでEONIAは2021年まで存続する。2021年末までの移行期間に、EONIAを参照する金融商品を持っているかEONIAを変動証拠金の担保金利として使っているマーケット参加者はEONIAから€STRへの移行を行う必要がある。
- 2020年第2四半期にEurex, LCHやJSCC等のCCPで清算されるユーロスワップの担保金利(PAI)がEONIAから€STRへ切り替わる予定で、割引金利の変更に伴うスワップの評価額の変化の勝ち方が負け方に補償する方法が検討されている。相対デリバティブでも、あるマーケット参加者間のCSAレートをEONIAから€STRに変えると勝ち方と負け方がでてくるので、評価変化額を補償する仕組みが必要となるであろう。ところが、相対取引にEUR スワップションがあると、相対CSAレートのEONIAから€STRへの変更とは無関係に(または円担保でも)、権利行使時のEURスワップがCCPで清算される場合、スワップションの現在価値はCCPでのPAI変更に影響されることになる。現在のところ、この部分の相対での補償の有無はグレーである(実は、プライシングとリスク管理ではこれは重要なファクターである)。
- 今回のセミナーでは、移行期間の€STRカーブとEONIAカーブの構築について講義する。CSAレート/PAIがEONIAの場合と€STRの場合、及びマーケットレートとしてEONIA OISレートがクオートされる場合と€STR OISレートがクオートされる場合の4通りにわけて説明をする。また、EUR スワップションの2つの担保金利(スワップションそのものの担保金利と権利行使した場合のCCPで清算されるスワップの担保金利)を考慮した評価、及び、CCPでのユーロのPAI変更時における多くの邦銀で当てはまる円担保の場合のユーロスワップやスワップションの評価に対する補償はあるべきなのかについても併せて説明する。
- セミナー対象者
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- 金融機関に勤務するクオンツ、トレーダー
- 金融機関のデリバティブ、ALM、リスク管理等の関係部署の方
- デリバティブ業務等の監査に携わる方、金融商品の評価業務に携わる方
- デリバティブ、金融リスク関係のシステム構築に携わる方
- 微分積分の計算に抵抗のない方
- 開催スケジュール
- 日程
- 11月26日(火)
- 18:00 - 21:00
- 会場
- JAビル カンファレンス 301B
[アクセス] - 定員
- 25名
- 講師
- 高田勝己 (経歴詳細)
株式会社 Diva Analytics 代表取締役 - 受講価格
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- 受講料:50,000円(税抜)
フルタイムの学生の方は、5割引きで受講できます。
- 講義内容
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1. EONIAから€STRへの移行
- ・ユーロ園での金利指標改革
- ・EONIAから€STRへの移行
- ・EONIAカーブと€STRカーブの構築(以下の4パターン)
- 1) CSAレート/PAIがEONIAでEONIA OISがトレードされる場合(現状)
- 2) CSAレート/PAIがEONIAで€STR OISがトレードされる場合
- 3) CSAレート/PAIが€STRでEONIA OISがトレードされる場合
- 4) CSAレート/PAIが€STRで€STR OISがトレードされる場合(移行期間の終了時)
- ・CCPでのEONIAから€STRへのPAIの変更時の評価額変化の補償スキーム
- ・EURスワップションの3種類の清算方式
- ・EURスワップションのCSAレートの違いによる評価
- ・EURスワップションの権利行使したスワップのPAIの違いによる評価
- ・非清算EURスワップションのCCPでのPAI変更時の相対での補償の有無によるプライシングの違い
- ・EURスワップのCCPでのPAIがEONIAから€STRに移行した時の円担保EURスワップの評価の影響と理論的な補償の有無
(注)講義内容は見直し等により変更になる場合があります。 - 申込み方法
- [申込みフォーム]に必要事項を入力し、送信してください。
送信されますと、弊社より確認メールが届きます。
FAXによるお申し込みをご希望の場合は[PDFの申込みフォーム]に必要事項をご記入の上、03-5544-8852 までご送信下さい。
申込書受領後、請求書が必要な場合は受講料の請求書をお送り致します。
確認メールに記載されている指定口座に開講日までに受講料を納入してください。納入を確認次第、申込み完了となります。
法人申込みの方で予算請求期日等の関係で開講日までに納入できない場合は、[お問い合わせフォーム]にてご相談ください。 - 運営規定
- 定員(25名)になり次第、受け付けを終了させていただきます。
一定の人数(通常は5人)に達しない場合は、開講日の1週間前までに未開講の旨をご連絡しますので、ご了承ください。