LIBOR移行問題の基礎
2019年5月16日(木)
- セミナー概要
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- 銀行間の短期無担保貸し借り市場の縮小やLIBOR不正を背景に、LIBOR、EURIBOR、TIBOR、CDORといったいわゆるIBORの信頼性が揺らいでいるところに、LIBORの公表を監督しているFCA(英国のThe Financial Conduct Authority)は2022年からパネル銀行にLIBORの提出を義務付けないと表明。デリバティブで参照されるIBORが公表停止された場合のフォールバックに関する市中協議文書をISDAが公表し、リスクフリー金利ベースの代替金利やIBORを模倣するためのスプレッドの決め方に関して一定のコンセンサスが得られると、一気にIBOR廃止は現実味を帯びてきた。
- デリバティブ、ローンや債券で参照されるIBORを各通貨ごとのリスク・フリー金利(RFR)として選ばれた翌日物金利で構成されるリスクフリーなターム物金利に徐々にかえていく方策を検討するワーキング・グループが先進各国の中央銀行内に制定されている。ここでは、ローンや債券等の現物商品を含めた標準的なフォールバック案を議論しており、代替金利として、ISDAの市中協議でのコンセンサスであるリスクフリーの複利後決め金利よりは、短期OIS金利等のリスクフリーの前決め期間金利を支持している。
- 既存の取引で参照するIBORをリスクフリーの期間物金利で代替するフォールバックの問題とは別に、IBORを参照する商品から翌日物金利で構成されるターム物金利を参照する新しい商品への移行問題がある。IBORが廃止となった場合、フォールバックでIBORがリスクフリー金利に置き換わる既存取引とマーケットで主流となる新しい取引は同じであることが望ましい。インターバンク市場や顧客市場の将来を総合的に考えると、IBORの移行後には、バックワード・ルッキングなターム金利とフォワード・ルッキングなターム金利を参照する両タイプのスワップや金利オプションが混在することが考えられる。
- 今回のセミナーでは、1) 現在に至るまでのIBOR移行に関する背景、2) LIBOR中心の金利体系から、OIS中心の金利体系への変化、3)デリバティブ、債券及びローンでのIBORのフォールバックについて、4) 金利のデリバティブ商品の変化、5)金利デリバティブ・マーケットの変化 について数式はなるべく使わないで容易に解説する。受講に際して特に前提となる知識はない。
- セミナー対象者
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- 金融機関や事業法人に勤務されていて、LIBOR移行問題に関係する方
- 金融機関や事業法人に勤務されていて、LIBOR移行問題にこれまであまり触れる機会がなかった方
- LIBOR移行問題を一般常識として学びたい個人の方
- 開催スケジュール
- 日程
- 5月16日(木)
- 18:00 - 21:00
- 会場
- JAビル カンファレンス 301B
[アクセス] - 定員
- 25名
- 講師
- 高田勝己 (経歴詳細)
株式会社 Diva Analytics 代表取締役 - 受講価格
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- 受講料:20,000円(税抜)
- 講義内容
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1. IBOR公表停止の可能性とそのフォールバック
- ・金利指標改革
- ・リスクフリー金利
- ・先進各国のリスクフリー金利検討委員会
- ・IBORの代替金利
- ・Backward-looking なリスクフリー期間金利とForward-lookingなリスクフリー期間金利
- ・ISDAのデリバティブに関するIBORのフォールバック案
- ・リスクフリー金利検討委員会の現物取引(ローンや債券)に関するIBORのフォールバック案
- ・IBORフォールバックの仕組み
- ・フォールバック・トリガー・イベント
- ・マーケット変化の予想
- ・Overnight Index Swap (OIS)
- ・OIS Index Swap (OIS^2)
- ・新しい通貨スワップ
- ・新しいアセットスワップ
- ・新しい金利オプション(Cap/Floor及びSwaption)
- ・クレジットスプレッド:LIBORスプレッドからOISスプレッドへ
(注)講義内容は見直し等により変更になる場合があります。 - 申込み方法
- [申込みフォーム]に必要事項を入力し、送信してください。
送信されますと、弊社より確認メールが届きます。
FAXによるお申し込みをご希望の場合は[PDFの申込みフォーム]に必要事項をご記入の上、03-5544-8852 までご送信下さい。
申込書受領後、請求書が必要な場合は受講料の請求書をお送り致します。
確認メールに記載されている指定口座に開講日までに受講料を納入してください。納入を確認次第、申込み完了となります。
法人申込みの方で予算請求期日等の関係で開講日までに納入できない場合は、[お問い合わせフォーム]にてご相談ください。 - 運営規定
- 定員(25名)になり次第、受け付けを終了させていただきます。
一定の人数(通常は5人)に達しない場合は、開講日の1週間前までに未開講の旨をご連絡しますので、ご了承ください。