IMのXVAに与える影響
2018年12月12日(水)、12月19日(水)全2回
- セミナー概要
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- 2019年、2020年の9月から当初証拠金(IM)も変動証拠金(VM)に加えて受け渡す義務があるエンドユーザーとしての金融機関は多い。一般的には、IMを追加的に授受すると、ディーラーからのプライスが悪い方向に変わる。これは、IMの授受が、ディーラーにとってコストであるXVAを増加させるからである。ディーラーにとって、受け取りIMはCVAやKVAを減らすが、差し出すIMに係るファンディングコストの現在価値であるMVAはそれよりもはるかに大きい。
- インターバンクではマージン規制以前からお互いにとって利益となるので、VMの受け渡しは慣行となっていたが、IMはマージン規制から新たに始まったことである。マーケットからすると、IMの受け渡しはできることならやりたくないというのが本音だろう。 規制で決められた10営業日のリスクのマージン期間(MPR)の99%分位点である”最大”損失分をIMとして、あらかじめ相手から徴求する。これをカウンターパーティお互いが行い、IMは分別管理され再担保が禁止されているので、マーケット全体で調達する担保額は非常に大きくなる。その調達コストとしてのMVAがエンドユーザーに転嫁されることになり、マーケットが非効率となるのは明らかである。さらに、エンドユーザーとしてのIMコンプライト銀行は、2倍のMVAがチャージされることになるのに気付いている人はそう多くない。規制ではあまり焦点があてられない担保のファンディング側面ではこのような弊害が起こっている。
- MVAは比較的新しい概念で、実際に定量化できている金融機関はいまのところ多くない。しかし、MVAを無視したプライシングをすると、負けトレードをためることになりかねないので、邦銀でもMVAの定量化は最重要項目の1つとなっているはずである。欧米では会計上でもCVA, FVAに続き、MVAが損失として認識されるのも時間の問題であろう。
- 今回のセミナーでは、IMのXVAに与える影響を考察する。具体的には、受け取りIMがいかにCVAとKVAを削減するかと、支払いIMがいかにMVAを大きくするかを講義する。
- セミナー対象者
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- 金融機関におけるクオンツ、トレーダー
- 金融機関のデリバティブ、XVA、ALM、リスク管理等の関係部署の方
- デリバティブ業務等の監査に携わる方、金融商品の評価業務に携わる方
- デリバティブ、金融リスク関係のシステム構築に携わる方
- 微分積分の計算に抵抗のない方
- 開催スケジュール
- 日程
- 第1回:12月12日(水)
- 第2回:12月19日(水)
- 18:00 - 21:00
- 会場
- JAビル カンファレンス 301B
[アクセス] - 定員
- 25名
- 講師
- 高田勝己 (経歴詳細)
株式会社 Diva Analytics 代表取締役 - 受講価格
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- 受講料:100,000円(税抜)
フルタイムの学生の方は、5割引きで受講できます。
- 講義内容
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第1回 XVAの理論的導出
- ・IMの復習
- ・VMのみの有担保取引のXVA
- ・VM+IMの有担保取引のXVA
- ・CCR規制資本コストとKVA
- ・IMとMVA
- ・2重のMVA
- ・IMで削減されるCVAとKVA、増加するMVAの数値例
(注)講義内容は見直し等により変更になる場合があります。 - 申込み方法
- [申込みフォーム]に必要事項を入力し、送信してください。
送信されますと、弊社より確認メールが届きます。
FAXによるお申し込みをご希望の場合は[PDFの申込みフォーム]に必要事項をご記入の上、03-5544-8852 までご送信下さい。
申込書受領後、請求書が必要な場合は受講料の請求書をお送り致します。
確認メールに記載されている指定口座に開講日までに受講料を納入してください。納入を確認次第、申込み完了となります。
法人申込みの方で予算請求期日等の関係で開講日までに納入できない場合は、[お問い合わせフォーム]にてご相談ください。 - 運営規定
- 定員(25名)になり次第、受け付けを終了させていただきます。
一定の人数(通常は5人)に達しない場合は、開講日の1週間前までに未開講の旨をご連絡しますので、ご了承ください。