SABRモデルと後決め複利RFR Capletのプライシング
2021年5月11日(火)~ 全6回
- セミナー概要
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- 英国のリスクフリーレート・ワーキンググループが2月にGBP LIBOR ICE スワップレートのフォールバックを、3月に米国のARRCがUSD LIBOR ICEスワップレートのフォールバックの案を提示した。これで、非線形デリバティブの関するIBORフォールバックがようやく動き出す。
- 相対デリバティブで参照される5通貨のLIBORは、調整RFR+スプレッド調整値へとフォールバックされた。これは、相対取引のキャップ・フロアの金利オプションで参照されるLIBORでも同じである。LIBORフォールバックで最も評価上の設定が変わってしまうのは、Cap/Floorやその構成要素であるCaplet/Floorletであろう。もともとのLIBOR CapletはLIBORが前決めの金利であることから、オプション満期はLIBORが決まるとき(計算期間のスタート日のロンドン2営業日前)であったが、LIBORが調整RFR+スプレッド調整値に代替されれば、オプション満期は計算期間のエンド日の2営業日前となる。また、後決め複利RFRが現物商品やデリバティブで最も主要な変動金利となれば、そのオプションであるRFR Caplet/floorletも新規取引として活発に取引されるであろう。RFR Capletは計算期間のはいるとONのRFRが徐々に決まることから調整RFRのフォワードレート・ボラティリティーがだんだんと減少して最後にはゼロとなる特性を持つ。
- 6回の連続セミナーでは、SABRでの後決めRFR Capletプライシングの完全導出を目指す。まず、復習としていままでのLIBORスワップション、LIBOR Caplet、また、新しいRFR スワップションやターム物RFRのCapletに使われるパラメータが一定なSteady SABRのHagan近似式の完全導出を行う。その後、後決めRFR Capletプライシングのために、時間に依存するボラティリティをもつDynamic SABRモデルでの限界確率密度関数の満たす1次の実効前進偏微分方程式の導出を行う。方程式の係数が時間に依存するため、Effective Medium Approachを使って、時間に依存しないパラメータで記述される限界確率密度関数の満たす1次の実効前進偏微分方程式導く。これをSteady SABRの限界確率密度関数の満たす1次の実効前進偏微分方程式と比べることで、時間に依存するボラティリティをもつDynamic SABRモデルの近似解をSteady SABRモデルのパラメータで表すことができる。この結果を使うと、後決めRFR CapletはSteady SABRでいままで通りのプライシングができ、期間スタート日に権利行使する1期間スワップションとの比較もできる。まず、最初に漸近展開や接道定理等の数学の準備をして、本題にはいることにする。
- セミナー対象者
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- 金融機関に勤務するクオンツ、トレーダー
- 金融機関のデリバティブ、ALM、リスク管理等の関係部署の方
- デリバティブ業務等の監査に携わる方、金融商品の評価業務に携わる方
- デリバティブ、金融リスク関係のシステム構築に携わる方
- 微分積分の計算に抵抗のない方
- 開催スケジュール
- 日程
- 第1回:5月11日(火)
- 第2回:5月18日(火)
- 第3回:5月25日(火)
- 第4回:6月1日(火)
- 第5回:6月8日(火)
- 第6回:6月15日(火)
- 18:00 - 21:00
- 会場
- ZOOM オンライン
- 定員
- 25名
- 講師
- 高田勝己 (経歴詳細)
株式会社 Diva Analytics 代表取締役 - 受講価格
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- 受講料:300,000円(税抜)
フルタイムの学生の方は、5割引きで受講できます。
- 講義内容
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第1回 SABRモデル近似公式導出のための数学準備
- ・漸近展開
- ・摂動定理
- ・常微分方程式
- ・偏微分方程式
- ・確率微分方程式
- ・Kolmogorovの前進方程式と後進方程式
- ・Tanaka’s formula
- ・Shifted SABRモデルの挙動
- ・Small-maturity Expansion
- ・ローカルタイムとオプションプライシング
- ・推移確率密度関数の満たすKolmogorovの前進方程式
- ・摂動定理の後進偏微分方程式への応用
- ・Shifted SABRモデルのオプション価格の算出
- ・Equivalent Normal Volatilityの算出
- ・Equivalent Shifted Lognormal Volatilityの算出
- ・Dynamic SABR
- ・フォワードレートの限界確率密度関数の満たす有効1次前進偏微分方程式
- ・Effective Medium Approach
- ・Steady SABRへのマッピング
- ・1期間 RFR Swaptionと後決め複利RFR Caplet
- ・Bottom-Up アプローチ
- ・Top-down アプローチ
- ・Piterbarg (2020) の方法
- ・Willens (2020) の方法
- ・算術平均FRFのcaplet
(注)講義内容は見直し等により変更になる場合があります。 - 申込み方法
- [申込みフォーム]に必要事項を入力し、送信してください。
送信されますと、弊社より確認メールが届きます。
FAXによるお申し込みをご希望の場合は[PDFの申込みフォーム]に必要事項をご記入の上、03-5544-8852 までご送信下さい。
申込書受領後、請求書が必要な場合は受講料の請求書をお送り致します。
確認メールに記載されている指定口座に開講日までに受講料を納入してください。納入を確認次第、申込み完了となります。
法人申込みの方で予算請求期日等の関係で開講日までに納入できない場合は、[お問い合わせフォーム]にてご相談ください。 - 運営規定
- 定員(25名)になり次第、受け付けを終了させていただきます。
一定の人数(通常は5人)に達しない場合は、開講日の1週間前までに未開講の旨をご連絡しますので、ご了承ください。